【演劇】『旧きドイツの人形芝居 マリオネットファウスト』を元にした人形作りワークショップ 人形を作って演じてみよう!」(飯田)


2019/07/07 (日) 更新

【演劇】『旧きドイツの人形芝居 マリオネットファウスト』を元にした人形作りワークショップ 人形を作って演じてみよう!」(飯田)

トランクシアター・プロジェクトの飯田実行委員会が、「知ってつながる飯田と演劇」プロジェクト第2弾として、7月7日に、『旧きドイツの人形芝居 マリオネットファウスト』を元にした人形作りワークショップ 人形を作って演じてみよう!」を開催しました。会場は、子供が自主的に作りたいものを考え、大人と一緒に試行錯誤する美術教室などを行っている爆発芸術舎でした。

この企画は、『ファウスト』は詩人ゲーテの書いた長編戯曲のイメージが強いですが、実はドイツの民話が口伝えでさまざまに広がったもので、ヨーロッパでは人形劇として上演されることの多い題材なのです。そして飯田市は言わずと知れた日本を代表する人形劇の街。そんな関連もあって、悪魔と天使、2体の人形を作ってみようというアイデアが生まれてきました。

講師は吉澤亜由美さん(デニムの女性)。飯田市出身で、日本を代表する人形劇団ひとみ座をへて、今はフリーランスの人形美術家として活動している方です。
「実行委員会さんからは『ファウスト』で人形劇の人形をということでお話をしていただきました。ヨーロッパでは人形劇版の『ファウスト』はとてもメジャーで、糸操りで上演されることが多いんです。『月夜のファウスト』につながるようにしたい、善と悪の人形の2体を作りたいということで、だったら自分の直感がすぐに形になるような方法がいいなということで、手にはめられて、パネルに顔を描いて切り抜いて、そこに布をつける方法がいいかなと。とても単純だけれど、自分が考えたものがすぐに形にできるので」

ワークショップの冒頭、トランクシアター・プロジェクトの説明があり、そして実行委員会を組織している役者さんたちが『マリオネットファウスト』の冒頭を朗読しました。
それは研究者としての欲望が満ちあふれたファウストに対して、交霊術に頼って至福を得ようとそそのかす悪魔と、今までどおり地道な研究によって至福を目指しなさいとたしなめる守護霊とのやりとりを描いたシーンでした。参加者は大人と子どもが渾然一体。朗読された物語から、みなさんの中ではどんなイメージが湧いてきたでしょうか。一つのテーブルを囲んで、楽しそうに作業をしていました。

「みなさん本当にご自分のイメージで自由に作ってましたね。私、まったくアドバイスはしませんでしたもん。自分で考えたものを作っていく中で、心の中に閉じ込めていた善と悪が出てきちゃったのか、自然にお芝居を始めるのを見て面白いなあと思いましたね。宿題を魔法でパパッとやっちゃえばいいのになというのと、ちゃんと勉強はしないと立派になれないしなあみたいなことを演じていた女の子もいましたね。人形という形が生まれたことで気持ちが出やすくなったというか、そこが見ていて一番面白かったです」

ちなみにこの日作った人形たちは、2019年7月31日(水)〜8月5日(月)に行われる「いいだ人形劇フェスタ2019」のメインイベント「わいわいパレード」(3日)、「ウェルカム人形展」(7月中旬〜8月5日)に参加します。
また吉澤さんが人形美術を担当した『人魚姫』(2日)に上演されるそうです。
「4年ぶりの再演です。市民の皆さんが一生懸命作っています。具体的な人形の他に、抽象的なものを使っているところもあって、いろいろな表現があることを実感していただければと思います。私も串田さんの『月夜のファウスト』がどんなふうになるのかとても楽しみにしています」