【演劇】佐久穂公演レポート「宿場町のような街並み・醤油店で行われたツアー最終日」


2018/08/26 (日) 更新

【演劇】佐久穂公演レポート「宿場町のような街並み・醤油店で行われたツアー最終日」

トランクシアター・プロジェクト2018 『或いは、テネシーワルツ』県内巡回公演の楽日(最終日)は、8月26日(日)、佐久穂町の旧マルト黒澤醤油店を会場に開催され、約75人のお客様が観劇されました。

宿場町のような街並みは、豪商・黒澤家が明治時代に、味噌醤油店や酒造場、銀行、旅館などを集約させて、今でいうビジネスタウンのようなものとして起こしたものなだそうです。

この街並みや、古民家などの再生・活用による地元活性化に数年前から取り組んでいる信州大学の武者ゼミの皆さんと、会場をお貸しいただいた黒澤様の演劇への想いが重なり、公演が実現しました。

このプロジェクトには佐久穂町の協力もあり、アフタートークは町で管理する奥村土牛記念美術館にて行われました。巡回公演を締めくくるにふさわしい前向きで明るいメッセージが交換され、地域と演劇が相互に近づくプロジェクトになったことを実感できるものとなりました。

また、演劇公演の前には、会場向かいの銀行蔵という建物の2階屋根裏部屋にて「ヤップマック」というグループによるコンテンポラリーなライブ演奏が、夕刻からは、美術館向かいの”レストランたかとんぼ”にて、「小山道之 Something Special Jazz Quartet」による素敵なジャズ演奏が行われ、街中に音楽と演劇の熱があふれるイベント、「真夏の夜のものがたり」となりました。


全体を総括すると、地域の皆さんが演劇を理解しこれに近づくというベクトルと、演劇の側が地域に近づくというベクトルが大きく重なり合ったプロジェクトになったのではないかと思っています。

地域の皆さんと協働で作り上げるこの巡回公演プロジェクトは、来年度も実施する予定です。今年度開催の7地域のプロジェクトの実施報告をいただきながら、来年度事業のスタートを切る催しを10月くらいに予定しておりますので、来年度の開催をご検討の方々など、多くの方のご来場をお待ちしています。

文:田村守康(コーディネーター)

長野県芸術監督団事業トランクシアター・プロジェクト2018
トランクシアター地域プロジェクトは、長野県芸術監督団事業と地域の実行委員会の皆さんとで協働で作り上げるプロジェクトです。
『或いは、テネシーワルツ』についての情報は以下のページをご参照ください
詳細を見る